身近な生活の中のおいしさあれこれを1ヶ月に1度お届けします 森下典子
HOME

 


 

2007年4月―NO.54

 2 

いっぺん食べたら忘れられない、強烈なインパクトのおせんべい
うまい餡子を食べた後は、お茶の味が体にしみ入る気がする

柴舟小出の「柴舟」と中田屋の「きんつば」


中田屋の「きんつば」
中田屋の「きんつば」
(画:森下典子)

 さて、その「柴舟」を目指して物産展の会場を歩いていくと、吟醸酒、加賀麩、小鯛の昆布じめ、鯖や穴子の棒鮨、加賀友禅、九谷焼、金銀箔の工芸品など、おいしいもの、美しいものが、これでもかこれでもかと目に飛び込んでくる。日本はなんて豊かなんだろうと、しみじみ思う。
 その会場の隅の方で、「きんつば」の実演販売に行列ができていた。「中田屋」という看板がでている。10包みも買っていく人がいる。
「おいしいんですか?」
 行列の一人にこっそり聞いたら、
「うちは金沢へ行ったら、いつもここです。きんつばはここと決めてます」
  と言う。そのまま私も列に並び、「きんつば」と物産展限定商品の「くるみきんつば」を6個ずつ買った。

次へ



Copyright 2003-2024 KAJIWARA INC. All right reserved