安全弁の取り扱いについて
蒸気加熱の機械には、一次側蒸気圧力の異常昇圧によるジャケット破裂などの危害を防止するため、安全弁が取り付けられています。また、「ボイラー及び圧力容器安全規則 第86条」においても、圧力容器への安全弁の設置義務が記載されています。安全弁の機能を常に正常な状態に保つため、下記を必ず実施して下さい。 正常でない安全弁を使用すると、ジャケットが破裂し、死亡または重傷を負う危険があります。また、機械および周囲の機器が損傷を受ける恐れがあります。
安全弁の構造
蒸気の圧力が安全弁の設定圧より高いと弁シートを押して、吹き出し口より、蒸気を吹き出します(取付されている安全弁と違う場合もございます)。
安全弁の取付位置
煮炊撹拌機KRS(左)、レオニーダー KH(右)での安全弁の取付位置例
日常点検
- 毎日の機械の使用前に、安全弁に通常の使用圧力をかけ、安全弁からの漏れを確認して下さい。漏れがある場合、原因のほとんどは異物の噛み込み、あるいはそれに伴う弁・弁シートの傷ですが、長期間の使用による弁・弁シートの磨耗の場合もあります。安全弁からの漏れが認められた場合は、同仕様の新しい安全弁と交換して下さい。
- 毎日の機械の使用前に、安全弁の外観を点検して下さい。亀裂や腐食が発見された場合は機械の使用を止め、同仕様の新しい安全弁と交換して下さい。
定期点検
6ヶ月に1度、安全弁上流の減圧弁を安全弁の設定圧力より0.049MPa程度高めに調整し、安全弁が正常に作動することを確認して下さい。設定圧力にて安全弁が正常に作動しない、または低圧で作動してしまう場合は、同仕様の新しい安全弁と交換して下さい。安全弁の作動確認が終了したら、減圧弁の設定圧力を安全弁の設定圧力に戻してください。
安全弁の作動範囲(目安)
安全弁の正常な吹出し圧力※は以下の通りです。安全弁の吹出し圧力が以下の範囲外となった時は、安全弁の交換が必要となります。
設定圧力 0.5MPa未満:設定圧力±0.015MPa
設定圧力 0.5MPa以上:設定圧力±(設定圧力の3%)MPa
※吹出し圧力・・・安全弁が急激に蒸気を吹き始める圧力のことを指し、微量の蒸気が吹出し始める圧力ではありません。
警告
点検中は必要以上に安全弁に近づかないで下さい。安全弁が作動すると蒸気が勢いよく吹き出し、人命に関わる大きなやけどを負う恐れがあります
(2006年7月5日、2012年3月10日、2016年9月30日)